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【坂本冬美のモゴモゴ交友録】加山雄三さんーー独身のわたし、恋に落ちてもおかしくないダンディさ

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.09.03 06:00 最終更新日:2022.09.03 06:00

【坂本冬美のモゴモゴ交友録】加山雄三さんーー独身のわたし、恋に落ちてもおかしくないダンディさ

「また、コンサートがしたいな…もしも、もしも、そう思われることがあったら、いつでも戻ってきてください」(坂本冬美)

 

 天は二物を与えず―と言いますが、加山雄三さんを見ていると、そんなの嘘っぱちだと思わずにはいられません。

 

 おしゃれで、スマートで、ダンディで、どんな楽器も巧みに弾きこなし、役者としても、世の女性を魅了する大スター。歌を歌えば、300万枚を超えるセールスを記録した『君といつまでも』をはじめ、メガヒットを連発。お料理もなさるし、釣りの腕前もプロ級……と、非の打ちどころがないというのは、加山さんを表現するときの言葉だと思います。

 

 

 年齢的には、お父さんのような存在? いえいえ、とんでもない。ウチの父は、加山さんのようにカッコよくなかったですから。この世にただ一人の大事な父ではありましたが、男性として見ると、まぁ、モゴモゴモゴ……(笑)。

 

 比べるのも失礼ですが、加山さんは、男性としても魅力に溢れていて、いまだに独身のわたしが、つい、うっかり、恋に落ちてしまってもおかしくない方です。もちろん、そうなったとしても、加山さんからNoと言われると思いますが……(苦笑)。

 

 加山さんからは、ポケットに入りきらないほど、たくさんの思い出をいただきました。

 

 デビューして間もないころは、テレビで何度かご一緒させていただく大先輩という感じでしたが、2007年に加山さんが主催される野外フェス「湯沢フィールド音楽祭」に呼んでいただいたことで、ぐんとその距離も縮まって。

 

 中村あゆみ姐さんと2人、六本木でご飯をご馳走になったこともありますし、加山さんご自慢の船「光進丸」にもご招待していただいたこともあります。船の中で振る舞っていただいたのは、加山さん自らが腕を振るったフルコース料理ですが、その手際がまた鮮やかで。作りながらご自身でも召し上がり、会話に加わり、また作っては召し上がるという、八面六臂の仕事ぶりでした。

 

 しかも、そのどこにも無理がなく、ごく自然に、ごくさりげなく、すべてをやってしまうところがまたすごい。

 

 お酒も召し上がりますが、節度があるというか、嗜みがあるというか。そこが、わたしとは大きく違うところです。

 

 で、最後はカラオケ。意外なことに、加山さんは演歌がお好きで、恐れ多いことながら、都はるみ先輩と岡千秋先生の『浪花恋しぐれ』をデュエットさせていただきました。

 

 あれは……『また君に恋してる』を発売したころです。加山さんから「いい歌だね。CDを買って、毎日聴いているよ」という言葉をかけていただいて。あの言葉は、わたしにとって一生の宝物です。

 

 その加山さんが、9月9日の東京国際フォーラム ホールAでのコンサートを最後に、コンサート活動を卒業されることになりました。

 

 本音を言えば、えっ!? そんな……。まだ、おやりになれるし、もったいない。ステージに立たれているだけで元気を、勇気をもらえるのに……。そう思っています。

 

 でも、だけど。それを決めることができるのは、ご本人だけです。加山さんご自身が決断されたことですから、わたしたちは、ありがとうという感謝の気持ちを持って、それを見届けるだけです。

 

 ただ……願わくば……最後まで、いつもの、あのカッコいい加山さんでいてほしい。

 

 やっぱり「加山雄三は、最後まで加山雄三だったね」と、わたしたちファンが、心からうっとり聴き惚れるステージを観せてください。

 

 最後まで、ダンディに。恋しちゃうくらいカッコいい、加山さんを魅せてください。

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、ニューシングル『酔中花』発売中!

 

写真・中村 功
企画&構成・工藤 晋

( 週刊FLASH 2022年9月13日号 )

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